ワイン好きの皆さん、こんにちは。
今回はイタリア北部・ロンバルディア州から、ミラノの味と歴史を支えてきた伝統品種“ボナルダ”を使った赤ワイン、「マルティルデ オルトレポ・パヴェーゼ ボナルダ」をご紹介します。

■ ミラノとオルトレポ:食とワインの補完関係
ロンバルディア州を語るとき、避けて通れないのが都市ミラノと農村オルトレポ・パヴェーゼの関係です。
中世、ミラノが商都として繁栄するなか、南の丘陵地帯オルトレポは修道院や地元農民によるブドウ栽培の中心地として発展。豊かな食卓を支えるワインは、常にこの丘から届いていました。
この地域の赤ワインといえば、地元品種「クロアティーナ(通称ボナルダ)」。土地に根ざしたこのブドウは、ミラノの郷土料理、特にオッソブーコやラグーとの相性で知られています。
■ マルティルデ:オルトレポの個性派ワイナリー
「マルティルデ(Martilde)」は、自然との共生とテロワール表現を大切にする家族経営のワイナリー。彼らのボナルダは、よくある軽快な微発泡スタイルとは一線を画す、“しっかりとしたスティルタイプ”。
つまり、料理に合わせて真価を発揮する“食中のボナルダ”なのです。
■ テイスティングコメント

ワイン名:マルティルデ オルトレポ・パヴェーゼ ボナルダ
色合い:深みのあるルビー。グラスのふちに若々しい紫が見える。
香り:完熟プラムやブラックチェリーに加え、甘草、黒胡椒、そしてわずかに乾いた土やタバコのニュアンス。洗練と素朴が同居。
味わい:しっかりとした果実味、ジューシーな酸。タンニンは穏やかで、料理と溶け合う柔らかさ。フィニッシュには心地よい苦味が残り、次の一口を誘う。
■ ペアリング提案:やっぱりオッソブーコ!
このボナルダの真価がもっとも発揮されるのが、ミラノ料理の代表格「オッソブーコ・アッラ・ミラネーゼ」との組み合わせ。
肉のゼラチン質、香味野菜、骨髄の旨み――それらをまとめ上げる果実味と酸、そして控えめながらしっかりした骨格のボナルダはまさに理想のペアリングです。
そのほかにも:
ラザーニャ・アッラ・ボロネーゼ:肉の層とボナルダの酸が好相性。
サラーメ・ディ・ヴァルツィ(DOP)と熟成チーズ:同郷の食材との相性は言うまでもなし。
ローストポークのハーブ焼き:タイムやセージとの香りの相乗が心地よい。
■ こんな人におすすめ!
“イタリアの地ワイン”の良さを再発見したい方
しっかりした食事に合わせる中庸な赤を探している方
ワインと料理の“土地のつながり”を楽しみたい方
フランス・ブルゴーニュの洗練と対照的に、オルトレポのボナルダは、素朴で温かい魅力を備えています。
特別な夜のためというよりは、何気ない食卓に深みと幸福感を添えてくれる1本。
「マルティルデ オルトレポ・パヴェーゼ ボナルダ」、ぜひミラノ料理とともにご賞味ください。
それでは次回のワインレビューもお楽しみに!乾杯!
コメント