火山が育む、繊細な赤 ― イル・パッソ ネレッロ・マスカレーゼ

イタリアワイン

ワインの世界には、「ピノ・ノワールのようにエレガントで、ネッビオーロのように繊細な香りを持つが、シチリア生まれの力強さも併せ持つ」という、ちょっとした“ハイブリッド”のような存在があります。

それが今回紹介する
イル・パッソ ネレッロ・マスカレーゼ(Il Passo Nerello Mascalese)
シチリア島の南西、サンブーカ・ディ・シチリアで生まれたこの赤ワインは、「一歩進んだ造り(Il Passo=一歩)」という名にふさわしい味わいを持っています。

🗺 火山土壌が生んだエレガンス

ネレッロ・マスカレーゼという品種は、エトナ山の火山性土壌で多く栽培されるシチリア固有のブドウ。繊細な赤系果実の香りと、ドライローズ、スパイス、土のニュアンスが複雑に折り重なるのが特徴です。

この「イル・パッソ」では、一部のブドウを軽く陰干し(アパッシメント)することで果実味を凝縮。さらにフレンチオークとアメリカンオークでの熟成を経て、ふくよかでしなやかな赤ワインに仕上がっています。

🍷 香りと味わいの印象

グラスに注ぐと、深く輝くルビー色。
香りは、ラズベリーやレッドチェリーの甘酸っぱさ、バラのドライな香り、ほのかにタバコ、バニラ、黒コショウのスパイスまで。

口に含むと、果実味がじゅわっと広がり、酸味が味を引き締め、舌の奥で優しいタンニンが静かに残ります。重すぎないけれど、薄くもない。まさに“しっかりしたミディアムボディ”

🍽 ネレッロ・マスカレーゼに合わせたい料理

今回実際に合わせたのは、
ラムのロースト(ローズマリーとガーリックの香りを効かせて)。

ラム独特の香りとコクに、イル・パッソの赤い果実の甘みと酸、そしてスパイス感が見事にマッチ。特にローズマリーとタバコ香が共鳴し、香りの一体感が素晴らしかったです。

他にも、

茄子とトマトのリゾット

キノコのタリアテッレ

カツオのたたきや鴨のロースト
など、赤ワインと白身~赤身の中間の料理とよく合います。

🥂 グラスはブルゴーニュ型で

ネレッロ・マスカレーゼの繊細な香りを楽しむなら、丸くて広いブルゴーニュ型グラスがベスト。香りが一気に開き、飲む前から楽しみが広がります。

✅ まとめ:シチリアの“知的”赤ワイン

果実味の濃さと、繊細な香りと酸のバランス。
「イル・パッソ ネレッロ・マスカレーゼ」は、
シチリアの太陽と火山が育てた、エレガントな赤ワインでした。

価格は2,500円~3,000円程度。
“普段飲みより少し特別な日”にぴったりな一本。
ラムやハーブ料理が好きな方には特におすすめです。

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💬 あなたの「ネレッロ・マスカレーゼ」体験も、ぜひコメントで教えてくださいね!

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